ゼロ・グラビティ

「ぼくのかんがえたぜろ・ぐらびてぃ」。ジョージ・クルーニーサンドラ・ブロックが宇宙空間で作業をしていて、事故に巻き込まれてすごいトラブルなんだけれども、なんとか地球に帰ろうと懸命な努力、途中どっちかが死んで(多分ジョージ・クルーニー)、それでも頑張ってなんとか地球に生還する、という話。


本日の映画は、「ゼロ・グラビティ」。渋谷TOEI。3D版が観たかったので、午前中に家を出ました。まず素晴らしいオープニング。360度広がる空間、巨大な宇宙、宇宙服姿の「三人」と、とても冷めた宇宙。この映像を、このスクリーンサイズに閉じ込めて良いのか、と真面目に思いました。
先に書いてしまうと、私はこの宇宙空間で作業しているオープニングのシーンがとてもとても好きで、本当はトラブルなぞおきずに、1時間半ずっとこれで良いと思っています。あぁ、宇宙で人が作業するってこういうことなんだぁ、とポカンと口を空けてぼーっと、ずーっと観ていたかったです。
映画のストーリーと言えば、「ぼくのかんがえたぜろ・ぐらびてぃ」そのまんまなわけだったのですが、こんな当たりさわりのない内容でも、本当に素晴らしい映画でした。科学、技術、冷めた宇宙。人間、ユーモア、冷めた宇宙。主人公は真の意味で宇宙。そして時々人間。地球と、遠くに見える太陽と、「冷たい方程式」。
映像に関して、私は知識もなくそれを評価する能力を持たないのですが、単純な感想として「スゴイ!」。「映像がすごい」という宣伝文句はすでに陳腐なものとなってしまっている気がしますが、実際の意味でそう思いました。この映画が生まれて初めてかも。
実際に「主役は宇宙」と胸を張る映画ですから、それで当たり前なのかもしれません。が、それでも最後のスタッフロールで大きな拍手を送りたくなりました。どういう言葉で表現すれば良いのかわからないのですが、一番近い感情だと「おめでとう」でしょうか。なにがおめでたいのだか、分かりませんけれど。
さいころ、なんとなく宇宙のことは好きでした。少しはSFを読み、そこは科学の進歩に伴って、当然人間が支配してゆくべき地域だと勝手に思い込んでいました。幼い頃に、当然のようにそう思っていたことなど、この映画を30分くらい観るまで、すっかり忘れていたのですが、そのことを完全に思い出してしまいました。
宇宙から、帰ってくる。本当にただそれだけの映画です。政治信条も、人間讃歌も、未来への警鐘も、何もないありません。そうであるがゆえに、完璧だと思いました。私は完璧と評価したいと思います。