「だから差は縮まらない どこまで行っても」

「だから差は縮まらない どこまで行っても」
3月のライオン」は、作者が島田八段を「発見」してから勇躍、面白くなった。そういう発見を共に楽しめるのが連載漫画の素晴らしさだ。

『しかし「縮まらないから」といって それが オレが進まない理由にはならん。「抜けない事があきらか」だからって おれが「努力しなくていい」って事にはならない』
こういうセリフが書きたい人間は多いだろうが、成立させるのは難しいだろうなぁ。

人は、物語の中に自分を仮託できる何かを探す。そして時折、「共感」などという言葉では生易しすぎるほどの感情に突き動かされる時がある。それは、なんというか、本当に素晴らしい。

人生はただでさえしんどくて、悲しくて、痛々しい。それでも、痛いほどの何かを求める。