How old?

昨晩は、なんだか体の真ん中に力が入らなくて、ためいきばかりついていました。
頭の言うことを、体の方が聞く耳もたんという感じ。「ほんと勘弁してくれよ、もう大人なんだから」と思います。
かろうじて日常的な業務だけ済ませて、お腹を押さえて丸まりたくなる衝動を抑えて、外へ出ました。
防寒具てんこもり、モコモコにして。


目的地はコーヒー屋。
なんとか気分を変えるためなわけですが、一番安心な自宅から逃げ出すとは。なんとも業だ。
コーヒーを一杯注文して、文庫本を取り出しました。
最近は、続けてカート・ヴォネガットを読んでいるます。
今は、「猫のゆりかご」というヤツのページをめくっているのですが、まず良いタイトルだ。「猫のゆりかご」。いいね。

主人公は、「世界が週末をむかえた日」という本を書こうと志している男で、
その本は、日本の広島に世界で初めて原爆が落とされた日に、アメリカの重要人物がどんなことをしていたかを記録した本になるはずのもの。
その主人公が、まず「原爆の父」的な人、フィリークス・ハニカー博士の家族(当人は死んでいるので)に話を聞きに行くのですが、そこで博士が大層な人物であることが分かる。
という辺りまで読んだ。

なるほど、ヴォネガットはとても好みでおもしろいのですが、ただ昨日は「アメリカを戦争の勝利に導いた原爆の父と呼ばれる奇人が、息子と娘に残したシロモノについて追いかける」気分ではなかったので、いくら読んでも頁がすすみませんでした。


そんなわけで、コーヒー屋にいる間は、本を読んでるフリをしながら熱心に話し込んでいる隣のテーブルの若い女性二人の会話を盗み聞きしたり、小型のノートに雑然とメモを取ったり、そこに何か吐き出したら少し集中力が回復したので少し本を読んだりで、気づけば23時になっていました。
体の中心に力が入らない感じはまだ続いていたのですが、暖かくして寝ようというところまで回復したのは幸い。
隣のテーブルの話は個人的には大変おもしろかったのですが、それはまた今度にしますか。