ある朝

少し早めの時間に家を出て、いつもの神社に。
見上げれば抜けるような青い空。散り散りの雲。
門をくぐると、柔らかくて、信じられないほど気分のいい風が吹きぬけて行きました。


慣れすぎているからか、参道を歩いている時も全く敬虔な気持ちになることもないのですが、
それでもこの場所がなんとなく好きで、つい足を向けてしまいます。
形どおりに手を合わせるのも、もはや「型」となっていて、こうなるといやしないはずの神様が、
なんとなくいる気持ちになってくるのが面白いものです。
もしかしたら、型の中に宿るのかね、キミは。


参道の石畳の上で、大きなスズメバチが、丸まってわずかに足を動かしていました。
夏とともに去る定めなのでしょう。
虫はただその時を生きて、後悔なんてすることはないのでしょうけれど、
それでも彼はやりぬいたのだ、と信じたい。