笑っているのに、なぜか涙が

最近ではほとんどテレビを見ることがなくなり、
見るとすれば、水曜24時からせいぜい「あらびき団」を見るくらいです。
ウチのテレビは地デジ対応ではないので、そうなったら完全にテレビは見なくなるだろうな、と思っています。
「画面」は必要なんで、なくなりはしないと思うのですけど。


ただ、そんな私でも一日に必ずテレビをつけている時間帯があって、
それは朝起きて、着替えてる間の数分間。
なんか習慣になっていて、その時だけぼんやりと放送を見ながら服を着ています。
一昨日だったか、やはりぼんやりと放送を見ていると、
画面では「彼氏/彼女に言った/言われたひどい事」というような街頭インタビューをやっていました。
始めの何人かは、「容姿を重量の大きい動物に例えられた」とか「あっという間に無職」とか、
そういう、いかにもな分かりやすい話だったのですが、次に画面に出てきた「キレイなお姉さん風」の方は一味違いました。


「彼氏に言ってしまった、ひどい事ってどういうのがありますか?」
「えぇ! えーと、そうだなぁ、あぁ『お前普通なんだよ!』って言ってしまったことあります」


ぼんやりしていたのですが、それを聞いて思わず目が覚めました。


「だって、しゃべりも別に面白くないし、個性があるわけじゃないし、頭もそんなに良くない、普通なんだよ! って」
「で、それを聞いて彼は?」
「泣きだしちゃってー。それで、あぁ言ってしまったと思って、必死でなぐさめました」
「どうやって?」
「でも、かっこいいじゃん。とか、背も高いし、とか。一生懸命やったんですけど、ダメでしたね」
「その彼氏とは?」
「別れましたよー。口は災いの元」
そう言ってけらけらと笑っているお姉さんを見ながら、私もけらけらと笑っていました。


いやぁ、「お前、普通なんだよ!」って言われたらキツイよなぁ。自覚があったら、なおさらそうでしょうね。
喧嘩というのは、暗黙のルールとして「モノは当たらないように投げる」とか「当たってもダメージがないものをぶつける」というのがあると思うのですが、これはどうやってもよけられないところに砲丸みたいなものが当たってますもんね。
そして、こういうことっていうのは、普段考えてもいないようなことが咄嗟に出るわけではないので、
つまり、日常的にそう思われているという…… こわいこわい。
私はかなり笑っていたのですが、目頭にうっすら涙がにじんでいたような気がします。