おめでとう

私は、「子どもの命は親の持ち物」という考え方をする人間なのですが、あまり賛成されたことがありません。
個人的には、シンプルでとても分かりやすい意見だと思うのですけどね。
どうやら、一撃で人を納得させる力に欠けるようです。
まぁ、その気持ちも分かるのですけれど。


んじゃ、その命は誰のものなのか、と聞きたくなるわけですよ。
「自分のもの」と言うと納得しやすいのかもしれませんが、もしそうならばどんなに簡単なことか。
周りを見回してください。
あなたの視界に入るものの中で、ほんとに「あなたのものであるもの」がどんだけあるでしょうか。
電話はどう? 一番大事な「回線」は、NTTのもんでしょ。
PCは? WindowsがないPCになにができましょうか。それに、それを動かす電気はどうでしょう。
床に転がってる漫画でさえ、著作権は作者のものです。本気で自分のものにしたければ、講談社が飛んできます。
恋人は? 果たして、ほんとにあなたのもんでしょうかね。


今の世の中、人間ってがんじがらめになってどこへもいけないようになってるんです。
もしそこから脱出したとしても、
例え死んだって、産まれたことをやめるわけにはいきません。
誰かの命は、誰かと誰かが作ったに決まっていて、
そうじゃない人は人類で一人しかいなくって、
まぁそんなことはどうでもいいのですが、ようするに人間っていうのは、父ちゃんと母ちゃんの遺伝子の半分子なわけです。


そのことに、どれだけ苦しめられて、どれだけ救われたでしょう。
最近、私は命はバトンを渡すようにして続いていくという考え方にこっています。
生まれるってことは、喜びを始めることであり、苦しみを投げつけられること。
差し引きは人によるんでしょうが、ものごとに始まりがあって、終わりがあることは動かしようがありません。
「死んだ方がましだった」という言い方ほど、生きていることを伝える言葉はないしね。
つまり、誕生日おめでとう!