キミは、4時30分の空の色を知っているか

日記をさぼってばかりいるので、ついつい「この前」の話ばかりになってしまうのですが。
これも、この前の話。

4時に五反田駅の前を通って、目黒駅に到着したころには4時30分になっていました。
4時半といえば夕方、真っ赤に染まった空と、その真ん中に沈んでいく太陽が有名、
なわけですけれど、残念ながら、この前はそうではなく。
16時30分ではなく、まごうことなき4時半であったわけです。
道すがら、誰とすれちがうこともなく、新聞配達のお兄ちゃんを見かけることもなく、
一人、線路沿いに歩いていたわけです。


よく「白みがかる」なんていう表現をするわけですけれど、実際にそうなっているのを見るのは久しぶりでした。
まだ太陽はその姿を現してはいないのだけれど、夜というにはあきらかに明るすぎる空。
薄く雲に覆われた空は、なんとも説明しづらい、薄く黒を掃いたような白でした。
独特、というにはあまりにも自然なマチエール。生半可な表現では、この内側に暗いエネルギーを秘めたような色は、表現できまい。
などと考えたのは、
二日酔いというにはあまりにもさっきまで飲んでいたアルコールがそばにいて、
おまけに、くたくたで、そういう時はいやなことが頭をよぎる、
そんな事情があったからなんだろうな、と思います。


一年に一度のお手伝いを終えて、とりあえず一軒飲み屋に入ったわけです。
で、その店を出た時間が23時くらい。中途半端な感じだったので、ついついもう一軒入ったのが運のつきでした。
12時に帰ろうって、みんなで約束したのに! 嘘つき! みんなの嘘つき! そして自分も嘘つき!
長時間にわたる労働でクタクタなはずなのに!
ねぇ。ほら、なんていうの、楽しかったわけなんですよ。
二軒目の飲み屋では、お酒が飲める上に、私が好きな人ばかりだったのです。
楽しい、というか、幸せ。わぁ、好きなものしかないぞここには、みたいな。
こんな幸運は本当に久しぶりだったので、 
時計の針が進んで行くのを、意図的に無視しました。


こういうことがあると、次の日というか、その日の午後というか、ほんとうに「すまなかったなぁ」という気になります。
私は楽しいの山に押しつぶされて、それでも楽しいので笑っているわけですが、
他の人はさぞかし、帰りたかっただろうなぁ、と思うのです。
終電も終っちゃったし、なんかいつまでも話してるから「帰りたい」って言い出しづらいし。
後から思えば、自分ならそう思うので、そうだったろうなぁと。
それでも、笑って許してくれるところがまた好き、
と書きたいところなのですが、その人たちとはまだ再会していないのでした。
おー、こわ。