「黔」

本を読んでいたら、いや、たまには本も読むのですが、
こんな字が眼に飛び込んできました。
まぁ、「読めない」わけなんですけど、
わざわざ括弧づけすることもないわけですが、
まぁ読めなかったわけです。


ワンセンテンスの長い、ダラリとした文章が続く本なのですが、こういう方の書く本では読めない漢字と出会う確立が高いような気がします。
学の差というか、育ちの差というか。
上の漢字がどんなセンテンスの中に到着したのかというと、

「画家が生きていた時代の豪奢と繁栄をとどめる市庁舎も、かつて「かれらの前にはハープスブルグもヴァロフもテューダーも貨幣力で縛られた操り人形に等しかった」といわれた世界各地の豪商たちの住居であろうか、細く高く軒を列ねて豪奢を競い合う精緻な建築物郡も、みな歳月と海風に『黔んで』、疲れ、いままた冷たい雨にうたれていた。」

でございます。ブリューゲルという画家の面影を追って、オランダのとある町をうろうろしているようです。
なんか、「くたびれた」みたいなことを言いたいんじゃないかと推察できなくもないので、そんな感じで読み飛ばしてたのですが、今日になって気になってので調べてみました。


読めなくても、調べられるというのは素敵なことですね。
「黔」は、読みは「ケン・ゲン」、あるいは「くろ(い)」とのこと。なんということもなく、「黒」みたいです。
ということは、読みは「くろずんで」あたりがふさわしいのかな?
「くろむ」という言葉があるのかどうかは知らないんで正確なことは分からないのですが、まぁちょっと調べたら満足したので、「くろずむ」と読んで満足することにします。
ならば、なんでこの漢字を使ったのだろうと思わなくもありませんが、
この本を実は読み終わっているのですが、
読んだ端からすぐ忘れたので、深追いなんかしません。