歌おう、感電するほどの喜びを!

tanakadaishi2008-04-01

私はいい気な商売、いい気な身分なので、昼間通りをゆるゆると歩いていたりします。
現在、関東は言うまでもなく桜の時期で、あちらこちらで白い花が咲き誇っています。
今日なんかは風が少し強かったので、枝なんかがぐいんぐいん揺れていたりして、そうすると花は必死に木にしがみついているように見えます。
なんか、ウチの犬を思い出しました。なんでだろ。


正直なところ、桜を見ると嫌なことをたくさん思い出すので、あんまり好きではないのです。
あのごつごつとした幹と葉のない花は、どこかで過去とつながっているようで、胸がつかえたような気になって思わずため息が出ます。
それでも桜は美しくて、心がつらかったり痛かったりすることと、何かを美しいと思うことは、一つの場所においておけるのだということに気がつかされます。
逸らしても、降るように舞う花びらを目で追わないことは不可能に近いし、下を向いたとしても道に散った小さな花弁が何か物言いたそうにしています。
こんなものを嫌いになれるはずもなく、どうしたって特別なわけです。
「やっぱり桜はいいよね」と思うとともに、それでも痛みを思い出しては「地獄へ落ちろ」とも願うのです。
全ての生きとし生けるものに災いあれ、さもなくば光とともにあらんことを。


世の中は便利になっても、人間の心は全然便利にならないので難儀します。
それでも今日は4月1日で、日本では一つの大きな区切りで、それも始まりの方の区切りで、私はこの日が大好きです。
なにも得ることがなかった一年はもう昨日までのことで、今日からまっさらな一年が始まる気になれるじゃないですか。
朝、コーヒーを温めながら犬に声をかけました。
「今年こそ良い一年にしような!」




返事がない。