満天の星

ふぅ。
さて、結婚式の第二弾に行ってまいりました。
老若男女入り乱れ、華やかな式でしたよ。
このことについては、結構前からたくさん話してしまったので、もはや抜け殻のようになってしまっています。
ただ、今日その場に行って思ったのは、そこにいるたくさんの人がまるで満天に広がる星空のようだったということです。


そういう場所に出かけると、私はいつもたくさんのことを説明しようとしていることに気づきます。
もちろん私は、結婚も出産もしていないわけで、そこで説明しようとしている内容は、経験にもとづくものではありません。
ようは、いい加減な想像をして、デタラメに説得力を与えようと「チチンプイプイ」とつぶやいているわけですね。
こんな児戯に、他人様は付き合ってくれないわけで、だれを説得しようとしているかといえば、自分を説得しようとしているわけです。


ただ、自分に向かって呪文をつぶやき続けていると、ふとした瞬間に他人の姿が眼に入ってきます。
例えば、そこでは新郎新婦などそっちのけで、一生懸命話しているカップルがいたり、自分のスピーチの出番をそわそわ待っている人がいたりするわけです。
その時に、「あぁ」と思うわけです。
自分はしょせん自分でしかなく、下を向いて地面に向かってぶつぶつと話しかけているだけなんだなと。


もう分からない話になっていると思いますから、勢いだけで続けていきましょう。
やっぱり、人間というのは空に輝く星なんだ思います。昼間に輝けるほど明るくはないけれど、夜に空を見上げれば明るい。
今日、会場には80人くらい人がいたように思います。
さほど広くない会場であれば、それはもはや満天の星空のごとしです。
私に見えている姿は、きっとその人たちには見えていないわけです。私はただ見上げるばかりで、その星の色や明るさを判断し、せめてその星に名前を付ける地上の人。
そして私も、いつか誰かの星になりたいと思わないでもないのですが、きっと叶わぬ夢であろうと、目をつむり、少し息を吐きます。