「本を読みたい」などと、たびたび大きいことを書いていたのですが、それを自分で選ぶ力も無いので、情けないことにブックガイドを頼ることにしました。


「ミステリー歳時記」(小泉喜美子晶文社)です。
私の貧弱な知識を搾り出すと、作者はミステリーの翻訳家さんですね。
代表的な作品は…… クレイグ・ライス?
ライスの、どの作品かというレベルでは歯がたちません。下手したら、ライスはやってないということまでありえますね。情けない。


でまぁ、とりあえず最初の数ページをペラペラとめくってみました。
自らのフランスミステリー好きの告白から始まる文章は、翻訳ヤケしていて硬質。なかなかキレがあります。
これは行けそうだと思い、読むことにしました。


「歳時記」と銘打っているので、章だては月区切りで、それにあわせた文章が添えられているのも芸が細かい感じです。
その月に読んだ本が取り上げられ、作者の翻訳家としの立場を存分に生かした紹介がなされています。
10ページおきくらいに、「本格物のみを至上とする原理主義者に対する罵り」が登場するのは、ご愛嬌というものでしょうか。
まぁ、そういう心の狭さも素晴らしく、なかなか面白い本でした。
登場する全ての本が海外のミステリーなので、知らない作家の名前がバンバン登場してしまうのですが、ブックガイドなのですから当たり前のことですね。
さて、この中からなんの本を選ぶべきなのでしょうか?


ちなみに、5月の章で取られている本は、
チャールズ・ウイリアムス「土曜を逃げろ」
L.A.モース「ビッグ・ボスは俺が殺る」
なのですが…… 
手持ちの本にあるとは思えないです。チャールズ・ウイリアムスなんて、名前も知らないし。