Contact(マーヴェラスインタラクティブ・グラスホッパーマニュファクチュア)

クリアーしました。18時間14分。満足しました。
私はこの、プレイ時間が出る仕組みをかなり「なんだかな」と思っているのですが、こういう時には便利ですね。
(なぜ、「なんだかな」と思うのかと言えば、お前は18時間も無駄遣いしたんだ、と言われているような気がするからです)


グラフィックの調子から、「Mother」辺りが彷彿される方もいるでしょうが、実際には、昔PSプラットフォームで発売されたラブデリックの「MOON」寄りの作品です。
ちょっとハイドライドに似ている古風なゲームデザインですが、包み紙は現代風。
最先端なのにどこか懐かしい、NintendoDSと同じような印象を受けるゲームだと思います。


主人公「チェリー」を操り、巨大なエネルギーを持つ「エレメント」を、ミューテスタントと呼ばれる組織より一早く回収して、博士の元に持っていくというのがストーリーラインです。
舞台は、アメリカや秋葉原やエジプトをモチーフにした島々。
その各島で、盛り上がってるんだか、盛り上がってないんだか分からないようなストーリーが展開されます。
独特なノリですが、くさみは感じ無いのが好感が持てます。
寄り道のバリエーションは豊富で、むしろその寄り道こそがこのゲームの楽しみなのだと思います。


RPGというジャンルは、「物語を消費することが最大の目的である」という方向に進化してきたと思いますが、このゲームはそういう方向性とは異なった道を選んでいますね。
チェリーは最初から最後まで、仲間を作ることなく(カノジョは作るんですが)、大した知り合いすら作ることなく、ほぼ単身でミューテスタントと戦い続けます。一方ミューテスタント達の方は、彼らの目的や友情のために、エレメントをつけ狙います。
「世界」に関わる動機が無いのは、実はプレイヤーとチェリーの方だというのが、このゲームの特徴です。世界は破滅しないし、なんで博士の手伝いをしなくてはいけないかも分からないし、まぁそんなことは大して気にならない。切実な競争相手と、なんとなく戦っている主人公。そんな世界でも、いつかはストーリーは終わりを迎えるわけで……
ラストの、製作者の落とし前のつけ方には色々賛否があるのでは無いかと思いますが、私は、ゲームを作っている人たちも「自分たちは一生懸命ゲームを作っている」というのを伝えたいのだなぁという思いが先にたってしまい、「うんうん分かったよ。次も満足できるものをよろしくね」と頭の中で大きくうなずいたのでした。