同じ夜

居酒屋で、しがみつくようにして飲んでしまったために、久しぶりに終電を飛ばしてしまいました。
漫画喫茶とタクシーは頭をよぎったものの、アルコールで気だけは大きくなっているために、歩いて帰ると心を決めたようです。
昨日の自分。


結局、二時間半かかりました。
まぁ知らない道では無いので(かつて何度も通った道であるという事実もひどいもんですが)、迷いもせず無事到着。
電車なら15分かからないので、10倍以上の時間がかかるわけですね。
こういうことがある度に、終電の偉大さというのを思い知るわけですが、ただ思い知るだけではなんのクスリにもならないということが良くわかりますね。


まぁ、自分に関しては自業自得で済むことですが、気の毒なのは歩いている私の話し相手にならなければならない人です。
今の世の中、携帯電話などという便利なものが普及してしまっており、電波は夜止まるわけではありません。
二時だろうが三時だろうが、電話はジャカジャカと鳴り、何事かと思い、出ないわけにはいきません。
出れば、電話の向こうには調子はずれの男が。
「用事は無いのか」と尋ねれば、「用事はある」と断固答えるも話は要領を得ず、「用事を言え」と告げれば「用事は言わぬ」ともはや意味不明。
何度か繰り返せば、薄々と「用事など無い」と察するも、二時間歩いて家に帰る哀れさに、なかなか受話器も置きずらい。
結局、一時間も付き合わされて、貴重な休みの最後の部分を無駄にさせられてしまいましたとさ。
気の毒、気の毒。