空を見上げて(その22)

足かけ二ヶ月に渡る、「宇宙飛行士の日記」を探す旅もそろそろ終わりに差しかかっています。
日本語で書かれたインターネット上のテキストの、大きな部分は見たのでは無いかと思っています。日本人の「宇宙飛行士」は9人。いづれの方も、ネット上で日記は公開していません(断言させてください)。
となれば、日本に未練を残していても仕方がありません。世界は広い。宇宙飛行士が存在するのは、日本だけではありません。


私は思いました。
「そうだ、海外に行こう」
インターネットは、世界に広がったネットワークだと聞いています。おそらく、「世界」は「日本」より広いものだと推測されます。だとすれば、日本よりも世界をターゲットにした方が、宇宙飛行士の日記を発見する可能性は高くなることは想像に難くありません。理論上は完璧。あとは、それを実践するだけです。
世界を前にする際に、真っ先に立ちはだかるのは言語の壁です。私は高校でドイツ語、大学で中国語を学びましたが、「これをものにした」と書いたら、その夜の内に、担当していただいた先生が真剣を振りかぶってやってきそうな勢いの生徒でした。ということは、先生や私のためにも、まずこの二つの言語は検索から外す方が良さそうです。その二つを除くと、私がなんとかなりそうな言語は、中学生時代から比較的長い付き合いの英語ということになるでしょうか。都合よく、英語圏アメリカという国が、世界の宇宙開発のトップを走る国だそうです。この幸運を生かして、英語で宇宙飛行士の日記探しに挑むとしましょうか。


まずは、手元に一冊の辞書を準備します。うろ覚えの記憶をたどり、「宇宙飛行士」が英語でなんというか探します。
あ、ありました。次は、「日記」です。お、こっちもありました。それでは入力。
google:astronaut diary
はは、日本語のページが邪魔ですね。
それでは、今度は本格的に海外進出しましょう。「.jp」が日本なら、アメリカは超有名なあれということになります。
http://www.yahoo.com
「ドット・コム」の世界へようこそ! バリバリのアメリカです。
Yahoo! mail」も英語ですし、「Yahoo! sports」の話題はメジャーリーグオールスターゲームについてです。ニュースには、「イギリス軍はiPodが保安上の問題を起こすと言っている」というのがあります。向こうでも、やはりイラク問題はホットな話題というわけですね。


そんなわけで、今日はgoogle様ではなく、Yahoo!様が相手です。検索窓に入力。
(えい!)
http://search.yahoo.com/search?p=astronaut+diary&ei=UTF-8&fr=fp-tab-web-t&cop=mss&tab=
78,000件。さすが本場…… なんですか?(知らないって)
英語だらけで字が全く目に入ってこなくてなんだか笑えるて来るのですが、それでも前へ進みます。「空を見上げて」、それでは出発。


(BBC Science Nature:Space DIARY OF AN ASTRONAUT)
BBCということですので、イギリス人宇宙飛行士の話でしょうか。
Claudie Haigneré氏というのが彼女の名前で、ソ連にある「Star City(星の街)」で訓練を重ねた方ですね。「星の街」は、ロシアにある宇宙飛行士訓練の中心的な場所で、そこには数多くの宇宙飛行士が住み、訓練を受けています。日本人宇宙飛行士の、秋山豊寛氏もここで訓練を受けて宇宙へ行きましたし、最近ではJAXAの宇宙飛行士の若手三人がここへ訓練に出掛けていったと、なにかの記事で読んだ記憶があります。

For Andromede, jointly organized by the Russians and the French space agency CNES, Claudie will serve as flight engineer in the left-hand seat of the Soyuz spacecraft.

「ロシアとフランスの宇宙機関、CNESによって組織されたアンドロメダミッションのため、Claudie氏はソユーズの左座席のフライトエンジニアをつとめるでしょう。」
彼女は、ISS国際宇宙ステーション)に、「アンドロメダ」という名前の付いた計画に参加するために訓練中の模様。
その先をつらつらと読んで行くと、この方の旦那様の名前は「ジャン・ピエール」だそうです。上の記事から考えても、この方はフランス人なのでしょうか。旦那様も宇宙飛行士で、彼女は以前そのバックアップをつとめたそうです。つたない知識を総動員すると、ソ連の宇宙飛行士訓練では、バックアップの人は正規の宇宙飛行士の人と全く同じ訓練をすると記憶しています。つまり、彼女はソ連の宇宙飛行士訓練生としては、それなりの経験があったということだと思われます。

あとは、ようするに訓練の様子などをレポートしてくれているのみです。

Next Week: Claudie travels to NASA's Johnson Space Centre for the next stage of her training.

「来週:ClaudieはNASAのジョンソン宇宙センターへ、次の段階の訓練のために出掛けます」
なかなか、国際的ですね。


すいません。ちょっと寝てました。
これ、思ったよりずっと大変です。しかし、明日に続きます。