空を見上げて(その19)

日本人宇宙飛行士も、とうとう最後の一人となりました。
JAXAの産んだ、「宇宙に行ったことのある」職業的な宇宙飛行士は現在4人。
そして、時代とタイミングが産んだ「宇宙に行ったことのある」素人宇宙飛行士は、日本人ではただ1人。
その、ただ一人の登場です。


正直なことを言えば、この人のことを最後の一人に選んだことが適正だったのだろうかと疑っています。
私は、「日本人として初めて宇宙に行った」というのは、その後を追った四人全部に匹敵するほどのことだろうと錯覚していました。
しかし、毛利氏にまつわる膨大なテキストと、彼の「いちいち宇宙飛行士らしい」物言いと物腰は、その判断を揺るがすのに十分でした。日本の宇宙開発に携わる人々は、「大学の先生あがり」で「信念とバイタリティ」があり、それでいて「どう見ても日本人にしか見えない」という、極めて優れた「宇宙飛行士とその像」を作り上げました。
一方、今回の主人公・秋山豊寛氏。
この、脂の乗りきった中年男性の第一声が、「これ本番ですか?」だったことは記憶にあります。私はその言葉を聞いておもわず舌打ちした記憶があるのです。ジョークにしては質が低いし、本気だとすればマスコミ臭すぎる。どうにも出来がよろしくない。
第一回で述べたとおり、私は宇宙と宇宙飛行士を神聖視するものの一派です。そういう意味で、この方はちょっと基準に合いません。よって、「日本人初」という部分でカバーされているところが随分あるのでは無いかとひそかに思っているのですが、それが取り除かれた時、一体大丈夫なのかというのが私の不安です。


それでも、まぁ調べないわけには行きません。最後の一人です。気を入れないわけにはいきません。
あ、今思い出しましたが、日記だって探すのです。本質をないがしろにしてはいけません。いけない。
さて、それでは参りましょう。


google:秋山豊寛
2,000件弱。やる気は十分という感じ。ちょっと元気湧いて来ました。
それでは、といつものパターンならば、JAXAのお子様ページに出掛けることになるのですが、今日はそうも行きません。
なんだか、「民間」の悲哀を味わっているような感じが、なんかいいですね。しかし、それでもけなげに頑張っていくのが、本流から外れたものの花というやつでしょう。(しかし、JAXAのサイトは良く出来てるよね)


(宇宙飛行士 秋山豊寛)
と思ったら、JAXAにありました。さらに、なんだかこの記事を読んだ記憶があります。
敬称が混乱してて、なんだか変な文章ですがまぁいいでしょう。

飛行後はTBS報道局次長となり、その後、国際ニュースセンター長を兼務しました。1995年末にTBSを退職、現在は福島県で農業をいとなみ、無農薬栽培やシイタケの栽培を実践しています。そのかたわら、宇宙での体験、食糧、環境問題を語る講演活動、執筆活動をおこなっています。

宇宙から帰ってきて、4年ほどで退社しているようです。その後のことは端的すぎて、ちょっと理解できません。明らかに、他人に理解させるようには書いてませんね。気持ち悪意を感じるのですが、そんなことは無いのでしょうか。


(特別講座  「地球から宇宙へ、そして大地へ」)
アサヒビール環境文化講座において講演。上の補足になるでしょうか。

特派員となった秋山さんは、宇宙から「病んでいる地球」を認識し、宇宙の旅から戻り福島県で自然と関わりながら「農のある暮らし」を始めました。

なるほど、土に帰ったということか。「国際基督教大学」の出身で、ロンドン→ワシントンと海外をまわり、あげくに「宇宙」に行った人間だと思えば、福島に埋もれるというのは確かに怪訝ですね。(福島はイングランドにちょっと似てるのでしょうか?)
色々と思うところはありますが、先入観は捨てて前へ進みましょう。


(第13回「森は海の恋人」植樹祭)
このページにプチインタビューが乗っているのですが、

植樹イベントには可能な限り参加する、というポリシーの下、第10回、第11回に続いて、今回も有名人としてではなく、一般参加者として、植樹作業に当たりました。

これはどうやら、秋山氏のことのようです。これは2003年に岩手県で行われた植樹を行うイベントのことだと書いてあるのですが、秋山氏はこのイベントに一般人として参加しているということのようです(そのままだ)。「植樹イベントには可能な限り参加する、というポリシー」というのが事実だとすれば、かなり凄いポリシーだと思わず口が開きっぱなしに。
このイベントに参加した有名人ということで以下の人々が挙げられているのですが、

浅野史郎宮城県知事、増田寛也岩手県知事、木村守男青森県知事、寺田典城秋田県知事、音楽家森みどりさん、月尾嘉男東京大学大学院教授

明らかに、秋山氏が一番著名な人物です。というか、ここに上がっている人たちは誰なんでしょうか。肩書き無しで通用してる人っています?
いや、別にいいんですけど。ようするに、私の常識不足なのかもしれませんし。
それでも、いろいろ不可解なのです。
ちなみに第10回の様子はこちら。
http://www.kurikoma.or.jp/~imamuraa/kinokai/imamura/murone.html


(「伊勢の国冬桜の会」が植樹活動)

秋山さんは「宇宙飛行中に青く輝く地球を見て、地球そのものが命だと実感。人間の行いで病み始めた地球のために、少しでも役立ちたい。二千九百七十平方メートルの土地で、米、そば、ごま、シイタケなどを有機栽培しているが、地球環境保護のため植樹はとっても大切です」と話していた。

今度は三重県に登場。こちらは2002年のこと。秋山氏が行っている農業について、少し詳しくなれました。
この記事には、小野田少尉も登場するのですが、まぁそれは別の話。


(それは一枚のFAXからはじまった!!)
こちらは1993年、秋山氏がTBSに勤めていたころの話です。書いている方は、この日記のカテゴリーでいけば、「気合・陳情系」に属すると思われます。
新島村リーダー養成塾・島民塾」というものに、秋山氏が第一期塾長として参加する経緯が語られている模様。
すごすぎてダイジェスト不能なので、興味がある方は勝手に見てください。


(衣川ふるさと自然塾)

日本人初の宇宙飛行士、秋山豊寛さんが初代の塾長を務める「衣川ふるさと自然塾」では、森や川や星に関わる「自然の学習」、田や畑での「農業実習」、炭焼きや豆腐づくりの「田舎暮らしの体験実習」などの活動をインストラクターの指導のもとに行う自然体験学校を開く。

おぉ、また塾長だ。おそらく2001年の話かと。衣川は、岩手県にある様子。


うーん、この人。どうしたんでしょうか? また明日。