朝起きて、カレンダーを見て、日曜日だと思った。
ここまで完璧に日曜日だと思ったのだから、今日が土曜日なのは一日得をしたということだ。


飲みたいような、飲みたくないような。
胃の調子が悪いような、飲んだら治るような。
そんな感じでいるのだけれど、どうしようか。とりあえず、四時に集合。


葡萄の美酒夜光の杯 飲まんと欲すれば琵琶馬上に催す
酔いて砂上に臥すとも君笑うことなかれ 古来征戦幾人か帰る


字面があっているかどうかは分からないが、おそらく小学生時代に教科書に載っていた七言絶句だ。
記憶力に関しては鳥とタメを張る私がこの詩をそらんじられるのは、幼い私がこれを繰り返し繰り返し口ずさんだからに他ならない。


高校に上がって、私は「ルバイヤート」に熱狂する。
「まぁ酒飲まなきゃやってられないじゃん」という主張が大河のように流れているこの本を、私が見逃すはずがなかった。
人には勧めずに、心の中で大事にした。


そういえば、なぜ高校生がルバイヤートに熱狂できるのか、法律的な意味も含めて。という点は横に置いておこう。


そんなわけで、私は詩が嫌いじゃなかった、ということを今日ラーメンを食べながらふと思い出した。
何か勉強をしたいな、というような考えがずっと頭の片隅に置いてあったのだが、「あぁ漢文は悪くないかもな」と思った。
漱石もやってたし。


というわけで、教養文庫の「漢文入門」でもないかしらんと思って在庫を調べたのだが、あいにくなかった。
売れてるよ。意外だよ。


んじゃ買ってもいいか、と思ってとりあえあずAmazonをチェックした。70円。うーん、思っていたより69円高いな。やめよう。


葡萄美酒夜光杯
欲飮琵琶馬上催
醉臥沙場君莫笑
古來征戰幾人回


盛唐の詩人、王翰という人の作だそうな。読み人いた。


それじゃあ、王翰の涼州詩が載っている本を買おうと思っていたら、陳瞬臣の「中国畸人伝」に王翰のことが載っているみたい。
とりあえず買う。講談社学術文庫の「唐詩」も2円のヤツを買う。これは、涼州詩が載っているかは分からない。


これで、王翰についてはとりあえず準備完了だ。ただ読むのめんどくさいな。オレの代わりに、読んで説明してくれる人が欲しい。
漢文入門については、後回しにすることにする。


本の世界は豊かだ。知の価値は決して揺るがない。
私はそれを粗末に扱う商人にすぎない。木っ端とはこういうことで、うつむく。