イヌがいぬ

tanakadaishi2008-02-12

月曜日のことですが、朝食を取ろうと思って出かけると、家には誰もいません。
犬すらいないし。
仕方ないので、何も食べずに寝ぼけまなこでふらふらと電車に乗り込むと、子供づれの家族で車両はにぎわっていました。
私は、興奮した子供の声があまり好きではないので、思わずため息。
しかしそこで、「あぁ今日は祭日だったのか」と気がつきました。
建国記念日だったのですね。


まわりのものなど眼中にないという感じで、お母さんに体をくっつけている子供もいれば、必死に弟にちょっかいを出しているお兄ちゃんもいます。その中で、ふと目を引いた男の子がいました。
その子は、おそらく小学校中学年くらいだと思うのですが、ギリギリ届くつり革にまるでぶらさがるようにして立っており、母親と思しき人と言葉をかわしていました。
何が目を引いたのかといえば、懸命に伸ばした腕は袖が肘の辺りまでまくれていて、そこから見える手と腕が、なんだかとてもキレイに見えたのです。ムダなものが全然付いておらず、すごくしなやかで、シミ一つない感じ。
それを見て、なんだか随分差が付いてしまったな、と思いました。


確かに私にも幼い頃はあって、そのことはあまり思い出せないのですが、多分あって、そのころは私もそういう生き物だったのだろうかと、ちょっと遠い目になりましたね。
年をとることは疑いも無く衰えであり、そこで得るものなどなにもないのではないか、というのが私の考えなのですが、そういう現実を見ると「年をとっても楽しいことはあるんだよ」と、こちらのことを見もしない子供にむかって、言い訳じみたことを言いたい気分になります。
そういえば、学校の先生はその受け持ちの生徒が「若い」という理由で、彼らを憎んだりはしないんですかね。
ちょっと聞いてみたい。