電車の中から外を見ていると、目の前を「てるてるぼうず」が通過していきました。
なんだか、随分とくたびれた感じで、「もう役割を果たすのに疲れきった」という印象でした。
マンションのベランダに引っかけられていた「てるてるぼうず」は、電車が動くとともにすぐに遠くへ消えて行きました。


晴れた空を見上げながら、その疲れた姿を思い出すと、私は「目的の無いてるてるぼうずって、ただの首吊りだよな」と思ったわけです。
なんか、少し気の毒。


私が見たから、というわけでも無いのでしょうが、夕方から突然雨が降り出しました。
「あぁ、彼は仕事を果たしたのだな」と思うと同時に、奇妙な満足感が少しだけわきました。なんででしょうね。
もちろん私は傘を持っていなかった、というのが話のオチです。
無いと困るほど降っていたので、コーヒーを飲んで時間を潰しました。