結局、信用という点が重要なのではないか? という話。

久しぶりに本を作ろうと思ったので、「何部作る」とか「どこに出す」とか、現実的な部分はとりあえず横に置いておくことにして、まずフォーマットを決めることにしました。
私が本を作るとしたら、やはりサークルの関係者から原稿を集めるということになりますから、主な部分は小説ということになります。


控えめに言って、オリジナル小説の同人誌を、好んで読む人というのはあまりいません。
買う側にとっては、気軽に手に入るものでも無いですし、積極的にそれを読もうという動機に欠けます。
なので、主な配布先は「身内」という名の関係者ということになります。
そして、その「身内」の方々は、例えばその本を600円で「売る」場合は割と気軽に買ってくれるのですが、即売会の会場でたまたま手に取ってくれた人よりも遥かに「読んでくれる」ことが少ないというのが実際です。


そんなわけで、「身内に配る際に金を取るだけでなくなんとか読ませようー」、というのをコンセプトにすることにしました。
では、そのためにはどうすればいいか。
まず、文章を読む際に最大の障壁となるものが何かと考えると、それは「長い」ということになるのではないか、と考えました。
別に長いことがただ悪いわけではありませんが、素人同然と考えられる人間の文章を、いきなり100ページも200ページも読ませようとしても、敬遠されるのは当たり前のように思います。
実際、「面白さ」というのは、ある種の信用の上になりたっていると私は考えています。
それを読む人の「面白がる余裕」みたいな部分がなければ、どんなに優れたものでも受け入れられづらいのではないでしょうか。
(怒り狂ってる人の前で、その人の物真似をしたら、いくらそっくりでも逆上されるってことです。違うか)


というわけで、この本の中心となる「小説」は最大、原稿用紙60〜70枚ということに規定することにしました。
これくらいなら、読んだ人があんまり面白くなくても、まぁなんとか我慢してやろう、という気になるのでは無いかと思ったので。
そして、あまり沢山の要素を詰め込めないので、感想を言いやすいというメリットもあります。
(ページが少なくなると、印刷代が安くなるというのもあるのですが、まぁそれはそれ)


同人誌は、定評のある作家が参加しているわけでもなく、賞があるような世界の話ではありません。
しかし、逆を言えばこういう本の魅力は、直接顔を合わせる人や、距離が近い人書いているという点にあるのです。
なので、「おい後輩、今回は何はともあれ一度読んでみてくれ、損するかもしれないけどちょっとだから」と、堂々と言えるように、なるべく読む方の負担が少ない形でやりたいと思っています。
「金を取る上に時間まで取るのか」、というもっともな問題については、少し検討してみましょう。