つまづく

ついさっきまではそんなことは気にもしていなかったのに、一度気をとられるとやたら気になるように。
それに気をとられていること自体にイライラし始め、そのイライラにやり場はありません。
気を紛らわせるために色々やるわけですが、自分で気を紛らわせていることに気が付いているわけですから、大した効果もあろうはずがなく。
解決するためには、その根本のところが解決しなければならないわけですが、それが出来れば苦労しない。
こういう状況を、私は「つまづく」と呼んでいます。


これに対する対処方を、これまでに色々試して来たのですが、うまく行った試しがありません。
この「つまづいた状態」になる時は、自分の「弱い」部分が接触点になっていることが多いので、それも原因となっているんでしょうね。
つまづいている自分に腹が立ち、自分の弱い部分に腹が立ち、それをうまいこと隠し通そうとしていることに腹が立つ。
現状をコントロールしようとして、うまく行かないと腹を立てるというのは、幼い子供にしてもそうですから、これは幼児性のあらわれ?
それとも、人間というのは誰しもそういう部分を持っているのでしょうかね。
結局、「弱い」部分というのは、克服しようにもそう簡単にはいかない部分を「弱い」と認識するような気がしますから、なんかもう自分が自分である以上はダメなような気もします。


この「つまづき」が原因で、怪我をしたり、そうまでならなくても何かにあたったりして、傍から見るととても恥ずかしいことになりがちです。
そうなりがちなのは分かっているので、人目に付かないところに閉じこもるわけですけれど、これで他人の目はごまかせても、結局自分からは自分のことは隠せません。
自分の心の中で、大きな声で独り言をまくしたてる。
その声の大きさに耳をふさぐ。
なので、なおさら声は大きくなる。
これを一人でやってるわけですから、もう大変です。
布団をかぶって寝てしまうのが良さそうですが、こういう時には大抵眠れないのが世の常です。
これは、困った。


一年の内に、一日か二日くらい、眠らないのでは無く、眠れない日があります。
そのことに、ある日突然気が付きました。
なんだか、割と定期的なのです。
目は冴え、頭の中のハムスターはぐるぐると車輪を回し、暗い部屋の中一人ベットに。
別に大したことを考えているわけでは無いのですが、なんだかそういう時の自分は何かに「つまづいている」のは間違いありません。
翌朝太陽が昇り始めると、私はむくりと起き上がり、着替えをし、歯を磨きます。
そういう日は、大抵早起きになります。というか、寝てないし。
眠ることなしに、一人でベットにいるのはかなり退屈なのです。
そして、眠いんだか眠くないんだか分からず、微熱を感じる体を動かしながら必ず思うのです。
「所詮は、コップの中の嵐」と。