しかし、好みだったな。

「そういや、昨日寝た記憶が無いな」
と、電車に揺られながら、ぼんやりした頭で考えていたわけです。
ちょっと考えればそれは当然で、朝帰りしてその足で出かけているわけです。昨日のお酒が残って、すごい頭痛い。


ぼんやりしているってのはそういうことで、当たり前のこともなかなか思い出せず、それにイライラすることもなく、ただぼんやり。
考えることも、ただ考えるだけで、何も覚えていないというか。
席が空いたところでふらふらと座って、そのまま寝てしまいました。
ふと気づくと、降りるべき駅を二つ乗り過ごし、ため息を一つ付いて電車を降りました。
逆方向の電車に乗り換え。
当たり前のことですが、ある程度の大きさの駅は構造として、来た方向と逆に進む電車にすぐに乗れるように出来ていません。
これは、寝過ごしてしまった人間に全く優しく無い構造だと、やる気なく憤慨しましたが、まぁ配慮してもらえるわけないですね。


ただ、折り返しの電車に、信じられないほど「タイプ」の女性が乗り込んで来てびっくりしました。
すごい美人とか、超カワイイとかそういうことではなく、「この人すごい好きなタイプだ」という感じ。伝わるでしょうか。
仲間由紀恵はすごい美人ですけど、そういうんじゃないんです。
その方を一見した際、「うわー、オレこういうタイプに弱いんだー」とすごい納得感があったのでした。
顔から、スタイルから、ファッションから。(いや、まぁキレイな方でしたが)
当然知らない人なので話しかけることも出来ないし、じろじろ見るのも失礼なので、一度まじまじと見た後、視線を外しました。
ぼんやりしていたし、今となってはあまり顔も思い出せないのですが、あの「自分はこういうタイプに弱いのか」という感覚だけは奥の方に残っている感じ。
別に、また会いたいとも思わないのですが、乗り過ごした駅でそういう人を見かけるのだから、運命っていうのはなんだかな。
と思ったわけです。