最初の一冊

心底、本が読みたいなぁと思いました。
何でもいいから、一冊本を。


ここ二ヶ月、欠かさず一日一冊の本を読んできたわけですが、そんな感じは全くしません。
100巻の本なんていうのは、一冊の分厚い本を分割している読んでいるだけなわけです。
つまり、それはずーっと同じ本を読んでいるのに等しいと、そういうことですね。


まずミステリーを、と思い箱をひっくり返してみて、一冊選びました。
末井昭「パチプロ編集長 パチンコ必勝ガイド物語」(光文社)。
どこがミステリーやねん、という感じですが、すごい面白そうだったので、つい。


末井昭の本は何冊か読んだことがあり、いづれもとても良かったのです。
彼は、荒木経惟と一緒に「写真時代」という雑誌を作ったことでも有名ですが、その後「パチスロ必勝ガイド」という雑誌を作り、マスコにちょこちょこ顔を出していたこともあります。(白夜書房のCMに出ていたのが記憶にありますね)
いわゆる、「名物編集者」なわけですが、どうも文章家としてはそういう浮ついたことが苦手らしく、文章に派手なところは全くありません。
この本も、一応内幕ものということになるのですが、有名人が登場することもなく、自分が雑誌を作っている過程で知り合った変な人たちの話や、「パチンコ雑誌」という小さな業界が、どういう変遷を経たのかということが、とつとつとした口調で語られています。
基本的に、自分の体験したことしか書けない方のようですが、もうそうであるからこそにじみ出るものがあります。
私はパチンコはやったことも興味もありませんが、十二分に楽しい本です。


そういえば、この本には田山幸憲も登場するのですが、「田山幸憲のパチプロ日記」も読んでいたなぁと思い出しました。
好きだったの。
パチンコやらないのにねぇ。面白いもんです。